我が国の建築界をリードした前川國男。
県内には、前川が設計した建物が3つあります。
打ち込みタイル工法の壁に囲まれた
スタイリッシュな空間と広場。
さて、その魅力とは…
埼玉会館
埼玉県立自然の博物館
埼玉県立歴史と民俗の博物館
設計者:前川國男(1905-1986)
日本近代建築の動向に戦前・戦後を通じて大きな足跡を残した建築家。ル・コルビュジエの弟子。東京文化会館の他、弘前市庁舎、東京都美術館などを設計した。
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前川國男建築の魅力 東洋大学教授・建築家 内田 祥士
私が、埼玉県立歴史と民俗の博物館を初めて見たのは、1970年代、学生時代でした。当時は、埼玉県立博物館という名称でした。大きな煉瓦タイルを打込んだ壁面から受ける重厚な印象と、大きな開口部から受ける透明感が好対照をなす建物ですが、同時に、隅々まで実に丁寧にデザインされた建物です。また、埼玉会館には、学生と共に繰返し見学に来ています。こちらも打込タイルが印象的な建物です。設計者は共に前川國男、代表作は、上野の東京文化会館ですが、先に上げた二つの建物も名建築です。共に、文化財ではありませんが名建築です。
前川國男について書き始めると、止まらなくなりそうなので、ここでは紹介に留めますが、日本を代表する建築家の一人です。折角の出会いです。展示やコンサートではなく、建物を見に行って見ては如何ですか。
ル・コルビュジエの「カップ・マルタンの休暇小屋」(レプリカ)